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デンソー・アイシンなどトヨタ系部品メーカー4社と三井住友海上が連携する狙い

三井住友海上火災保険は、トヨタ自動車グループの部品メーカー4社が設立した「ジェイクワッド・ダイナミクス」(東京都中央区)と自動車の先進安全装置で連携する。

三井住友海上がジェイクワッドの低速衝突被害軽減ブレーキ装置(AEB)が搭載された車両の事故データを収集し、リポートにしてジェイクワッドに提供する。データを低速AEBの機能向上や販売促進に生かすのが狙いだ。大手損保と自動車部品メーカーが先進安全装置で連携するのは珍しい。

AEB搭載車両の事故分析に使う統計イメージ

三井住友海上はジェイクワッドの低速AEBが搭載された車両の事故データを分析し、事故発生確率や事故の深刻度を統計化してリポートにまとめる。これを基にジェイクワッドがさらに詳細検証を行い、低速AEBの安全性向上や先進運転支援システムの開発につなげる。

三井住友海上は損害保険事業で得たデータ利活用に力を入れており、ジェイクワッドとの連携は一つの先駆的な取り組み事例となる。両社は互いの強みを活かし、協力関係を通じて「交通事故ゼロ社会の実現に貢献する」(三井住友海上)としている。

AEBは先進安全技術として注目されている。自動運転技術の進展に向けて、自動車関連企業が開発に力を入れている。

ジェイクワッド・ダイナミクスは、トヨタグループのデンソーアイシンジェイテクトアドヴィックス(愛知県刈谷市)の4社による共同出資で2019年に誕生した。自動車の統合制御ソフトウエアの開発を手がける。


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日刊工業新聞 2023年04月28日

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