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かき氷などでおなじみ「泡状の食材」つくる調理器具とは?東邦アセチレンが実演提案

かき氷などでおなじみ「泡状の食材」つくる調理器具とは?東邦アセチレンが実演提案

カフェバーの雰囲気でエスプーマによる食材を提案(東京支社内のデモキッチン)

東邦アセチレンは食品用ガスで泡状の食材をつくる調理器具の提案営業を強化する。実演用のキッチン(デモキッチン)を新設し、レストラン・喫茶店の外食チェーンなどに新メニューを実際に調理して提供。新商品や季節限定品の開発につなげる。すでに延べ1万店以上に納入実績を持つが、提案営業をテコに2026年3月期まで4カ年の中期経営計画期間中に数千店の納入増を目指す。

東京支社(東京都港区)内の会議室をカフェバー調に改装し、カウンター式テーブルや特殊照明などを設置。冷凍・冷蔵庫、電子レンジ、ミキサー、ソーダサイホンなど一般的な調理用機器とともに、自社の調理器具「エスプーマ」のガス充填機とディスペンサーを置き、実際の食材で試作品を調理する。顧客に味わってもらいながら風味や見た目の改良につなげる。

エスプーマはあらゆる液状の食材に亜酸化窒素を吹き付けることで泡状に加工できる。ホイップクリームやメレンゲをつくれるほか、風味と食感を変化させられるため、創作料理にも用いられる。全国の店舗で採用している大手喫茶店チェーンもある。

ただ、泡状のためサンプル品を送ったり、写真や動画で実感したり、遠隔で評価するのが困難なことから「直接、見て風味を感じ取ってもらうため、どうしてもデモキッチンが必要だった」(笈川直樹コンシューマープロダクツ営業部長)。22年の東京支社移転に合わせてデモキッチンを新設。ホテルやレストランのバイヤー、シェフ、外食チェーンのメニュー開発者らを招き、今春にはパンケーキ店向けに“桜味”の季節限定品の開発につなげている。

東邦アセチレンでは「黒ごまミックス液」「カスタードプリンミックス液」など独自の食材も自社開発し、品ぞろえしている。デモキッチンを介して顧客の反応やニーズをより的確に把握できるようになったため、新しい食材開発も加速させる意向だ。

日刊工業新聞 2023年04月26日

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