「高級ウニ」の真贋見極める情報基盤、生かした旭化成の独自技術
旭化成はTISと共同開発した偽造品対策のデジタル情報基盤「アクリティア」を食品偽装対策に活用する。羽立水産(北海道森町)が手がける高級ウニ「はだての生うに」の真贋(しんがん)判定のツールとして使う。2022年10月から皮革製品などアパレル業界向けに始めたサービスに続く取り組みで、食品業界向けは初めて。
旭化成の独自技術による肉眼では見えない超微細金属配線を活用。この配線を印刷した透明ラベルを商品に貼り、ラベル上に真正品という表示と2次元コード(QRコード)を付記する。消費者が一目で本物だと分かるようにする。羽立水産では近年、同社製と偽装されたウニの流通が増えていることを懸念していた。
今回の取り組みを皮切りに食品業界のニーズと課題を収集。流通拠点で商品の真贋判定が可能なシステムの構築を目指す。将来は消費者自身が購入した食品を食べる前に、本物かどうかを確認できるソリューションの提供も検討する。
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日刊工業新聞 2023年月4月25日