三井E&SとNEDOが世界初、燃料電池駆動の「門型クレーン」開発
三井E&Sは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同で、燃料電池(FC)を動力源にした港湾用のラバータイヤ式門型クレーン(RTGC)を開発し、実証実験に成功した。従来のハイブリッド型の発電機セットをFCパワーパックに置き換え、リチウムイオン蓄電池を大容量化した。FCパワーパック搭載のRTGCは世界初。FCの小型化と定常運転化が可能になる。荷役の温室効果ガス排出削減につながる。
NEDOの事業で2021年度から開発してきた。リチウムイオン蓄電池の大容量化で、FCパワーパックで発電して蓄電池にため、その電力で荷役できるため、小型のFCで定常運転できる。三井E&Sの大分工場(大分市)で実際のコンテナターミナルでの荷役を模して実証し、実作業に適用できることを確認した。
今後もNEDOの事業として、米ロサンゼルス港で実証する。実荷役環境下での稼働状態の安定性や水素充填(じゅうてん)方法、頻度などのデータを収集して設計を改善する。陸上輸送用トラックの動力源FC化も実証する計画。
日刊工業新聞 2023年04月20日