乳幼児の接種負担減、5種混合ワクチンの承認取得
阪大微生物病研究会(BIKEN、大阪府吹田市、山西弘一理事長)と田辺三菱製薬は、共同開発していた5種混合ワクチン「ゴービック水性懸濁注シリンジ」の製造販売承認を取得した。承認済みの4種混合ワクチン「テトラビック」に、ヘモフィルスインフルエンザ菌b型(Hib)の抗原を加えて5種混合とした。2歳までの定期接種向けで、混合ワクチンにより接種回数を削減でき、乳幼児や保護者の負担軽減につながる。
Hibは脳を包む髄膜の炎症や肺炎、化膿性の関節炎などが発生し、脳などの後遺症発生や死亡に至ることもある。他に百日せきとジフテリア、破傷風、急性灰白髄炎(ポリオ)に対応。これらの感染症はワクチンによりリスクが大幅に低減できるが、2歳までに必要な接種総回数は20回以上のため、混合ワクチンの需要は大きい。
日刊工業新聞 2023年3月30日