ニュースイッチ

次世代太陽電池「ペロブスカイト」、海辺の火力発電所で実証実験する狙い

次世代太陽電池「ペロブスカイト」、海辺の火力発電所で実証実験する狙い

フィルム型ペロブスカイト太陽電池設置場所(横須賀火力発電所)

積水化学工業とJERAは27日、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を火力発電所に設置するための共同実証実験を開始したと発表した。JERAの横須賀火力発電所(神奈川県横須賀市)と鹿島火力発電所(茨城県神栖市)にフィルム型ペロブスカイト太陽電池を設置し、性能面や設置方法などを検証する。小面積での設置や課題検証を経て、2025年以降に横須賀火力発電所への大規模設置を目指す。

防汚性や発電性のほか、JERA保有の火力発電所が全て沿岸部にあることから耐塩害性能も実証する。また発電所建屋の軽量屋根や壁面などへの設置方法の検証や、各種法規制への対応も進める。

積水化学が手がけるフィルム型ペロブスカイト太陽電池は軽量で柔軟性が高いことが特徴。既存技術では設置が難しい場所にも太陽電池を導入できると期待される。実証を通じて火力発電所への導入手法を確立し、JERAが保有する火力発電所への導入を順次進めていくという。

日刊工業新聞 2023年03月28日

編集部のおすすめ