「ペロブスカイト太陽電池」を都心の建物外壁に、実証実験開始へ
NTTデータは、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を建物外壁に設置した実証実験を積水化学工業と4月から始める。外壁への設置時の課題抽出に向けて、4月から積水化学の開発研究所(大阪府島本町)外壁に設置し、風圧力など構造安全性を確保した設置方法を確認。2024年4月ごろからはNTT品川TWINSデータ棟(東京都港区)の外壁に設置し、都心部での発電効率といった実用性を検証する。
安全性や発電効率を高める設置方法を実証し、今後全国にあるNTTデータ16棟のデータセンター(DC)、オフィスへの導入を拡大する。30年度に自社DCのカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)化を目指す。
積水化学が開発したフィルム型ペロブスカイト太陽電池は、軽量で柔軟性が高いことが特徴。都心の既存建物への設置も従来型と比べて容易で、都心部における再生可能エネルギーの地産地消の促進が期待できる。
NTTデータはDCで液浸冷却方式による冷却システムの構築や再生エネ活用などの取り組みを進めている。一方、都心のDCでは設置場所の確保などの観点から太陽光発電パネルの設置が難しいという課題があった。
日刊工業新聞 2023年02月22日