ニュースイッチ

容量5倍の全固体リチウム電池開発、日立造船が産業利用へ

日立造船は、容量を5000ミリアンペア時に引き上げた全固体リチウムイオン電池(LiB)を開発したと発表した(写真)。試作品を15日から東京ビッグサイト(東京都江東区)で始まる見本市「国際二次電池展」に参考出展する。今後さらに高容量化し、宇宙航空関連製品や真空装置関連機器などに産業利用することを目指す。

同電池は低温度・高温度環境や、真空中で充放電できるのが特徴。大きさは長辺132ミリ×短辺58ミリ×高さ16ミリメートル。さらに電極や構造の設計を見直し、同社従来品比で5倍の高容量を実現した。

同社は2016年に容量140ミリアンペア時、21年に1000ミリアンペア時の全固体LiBを開発。宇宙関連製品や半導体装置、既存電池が使えない環境下で使う装置向けにサンプルを提供してきた。22年には宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で宇宙空間における充放電を確認している。


【関連記事】「全固体電池」中小企業へのビジネスチャンス
日刊工業新聞 2023年03月14日

特集・連載情報

全固体電池の今が分かる
全固体電池の今が分かる
次世代電池の大本命である全固体電池の研究や企業の開発動向をまとめました。

編集部のおすすめ