ニュースイッチ

日本酒「獺祭」を世界に、旭酒造が語った米国進出の狙い

日本酒「獺祭」を世界に、旭酒造が語った米国進出の狙い

旭酒造の桜井一宏社長(右)と桜井博志会長

旭酒造(山口県岩国市、桜井一宏社長)は、米ニューヨークに酒蔵を4月に開設、9月にも日本酒「獺祭」を米国市場で販売する。2016年に米国進出を計画し、準備を進めてきた。酒蔵の開設に伴い、ニューヨークに赴任する桜井博志会長は「日本の市場だけでは日本酒は生き残れない。米国市場にガッチリ入り込みたい」と述べ、米国進出への意気込みを示した。

旭酒造は当初、19年に米国での製造を始める計画だったが、新型コロナウイルス感染拡大などもあり、稼働が23年になった。投資額は当初計画の30億円から80億円に膨らんだ。桜井一宏社長は米国進出の狙いを「戦うステージを変え、伝統産業が世界に出るきっかけ、モデルになりたい」とした。

22年の獺祭の売上高は165億円で、このうち70億円が海外向けとなっており、年々輸出が伸びている。新設の酒蔵は年間1260キロリットルの生産能力があるが、桜井社長は「当初は少量からスタートし、市場を作りながら10年後の33年ごろにフル稼働を目指したい」と述べた。

日刊工業新聞 2023年03月10日

編集部のおすすめ