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半導体関連などに重点、大日本印刷が明かした財務戦略

大日本印刷は、2023年度からの5カ年で3900億円以上の事業投資を行う。このうち半導体関連やバッテリーパウチなど注力事業に2600億円以上投資する。これにより23年度からの次期中期経営計画の最終年度の25年度には、営業利益850億円、自己資本利益率(ROE)は8%以上を達成した上で、早期に株価純資産倍率(PBR)1・0倍超を目指す。

9日発表した次期中計の骨子のうち、長期的な財務戦略の中で明らかにした。

成長投資の原資となる営業キャッシュフローは、27年度までの5年間で4400億円以上の創出を目指す。政策保有株式の売却で2200億円のキャッシュを創出し、純資産の10%未満にするほか、遊休資産の縮減で資産効率の改善を図る。

直近3期の同社ROEの平均は6・3%となる中、さらなる向上のための施策として5年間で総額3000億円程度の自己株式取得を計画していることも明らかにした。1回目として、過去最高となる1000億円の自己株式取得を実施する。

同日、初めて投資家向け説明会に出席した北島義斉社長は「環境、社会、経済がグローバルで変化する中、変化に対応するだけでなく、自社の強みを磨き、非連続で変革を遂げることが必要」と言及。「長期的な目標を強い意志をもって進める必要がある」と達成に向けた意欲を示した。

日刊工業新聞 2023年03月10日

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