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地震時に建物に作用する力2割削減、戸田建設が開発した免震ダンパーの仕組み

地震時に建物に作用する力2割削減、戸田建設が開発した免震ダンパーの仕組み

地震の揺れに応じて減衰性能を切り替えられるセミアクティブオイルダンパー

戸田建設は地震の際に揺れに応じて減衰性能を変化させて、免震建物を実現する免震用のダンパー「セミアクティブオイルダンパー」を開発し、自社の筑波技術研究所(茨城県つくば市)内の建物に導入した。小さな地震から大きな地震まで地震の揺れに応じて減衰性能を切り替えることで、従来の免震建物に比べて地震時に建物に作用する「層せん断力」を約20%低減し、建物の安全性を向上できる。

同ダンパーは川金コアテック(埼玉県川口市)、光陽精機(茨城県筑西市)と共同開発したもので、大臣認定を取得済み。オイルタンクのバルブを電気的に開閉してオイルの流量を調整し、瞬時に低減衰、高減衰の2種類の減衰性能に切り替えることで免震効果を高められる。

今後、戸田建設は研究所内の建物で性能を検証した後、現在建設している新社屋「TODA BUILDING」(東京都中央区)にも適用する予定。同ダンパーが得意とする長周期地震や大地震における建物の揺れ抑制や、十分なすき間を保てない狭い敷地への適用を提案し、高性能免震システムを普及させる。

日刊工業新聞 2023年02月16日

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