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ジャパンディスプレイが実質無借金へ、資本増強で財務基盤改善

ジャパンディスプレイが実質無借金へ、資本増強で財務基盤改善

ジャパンディスプレイの白山工場

ジャパンディスプレイ(JDI)は、いちごトラストへの約867億円の債務の株式化(DES)や総額1736億円の新株予約権の発行などを含む資本増強策を発表した。負債を大幅に圧縮することで実質無借金化の財務基盤を作るとともに、将来の成長に向けた投資資金を確保する。

JDIは産業革新機構(INCJ)からの借入金約737億円を、いちごから新規に借り入れる200億円と、いちごによる債権の買い取りで完済する。一方、JDIはINCJが持つ約1000億円分のA種優先株式を無償で取得し、消却する。さらに、いちごがJDIに対し150億円の債権を放棄した上で、JDIが残る債務約867億円を新株発行によって株式化(DES)する。これにより、JDIは実質無借金となる。

DESによって433億円となる資本金は同じく3月22日付で1億円に減資する。DES後のいちごの議決権所有割合は現在の56・7%から91・57%まで上昇する。株式の流動比率の低下は、経営再建のための一時的な状態として5年以内の解消を目指し、プライム市場への上場は維持する考え。

今後の成長投資のための資金は、いちごに対して発行する総額1736億円の新株予約権を23年6月から28年11月末までの間に段階的に活用して調達する。

JDIは、世界的なインフレによるモバイル機器需要減や自動車の生産調整などによってディスプレー需要が減少し、23年3月期連結業績の当期損益が319億円の赤字となる見込み。中期的な成長戦略の実行に向けて、財務基盤を立て直す。

日刊工業新聞 2023年02月11日

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