酒粕をニワトリの飼料に、神戸大と白鶴酒造と開発へ
神戸大学の本田和久教授らは白鶴酒造(神戸市東灘区)と、国産酒粕を使ったニワトリ向けの飼料開発に着手した。日本酒の副産物の酒粕は粕汁や漬物などに活用されているが、食用に適さない形状のものもある。有効活用を進めるため、両者による共同研究を決めた。「小さなスケールであれば、2024―25年にも(飼料により育てたニワトリの)肉や卵の販売を始めたい」(本田教授)という。
国産のニワトリの飼料の主な原料はトウモロコシと大豆かすで、輸入によりまかなっている。酒粕は水分量が多いためそのままではニワトリの飼料に適さないが、乾燥重量当たりのたんぱく質含有量は40―50%と高い。乾燥破砕できれば、飼料として役立つ可能性がある。
共同研究では、白鶴が酒粕の乾燥破砕の手法の確立を目指す。ニワトリの生態を研究する本田教授ら神戸大のチームは、味や食感などの観点で鶏肉と鶏卵生産用の飼料としての価値評価を手がける。
日刊工業新聞 2023年01月26日