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燃料電池の触媒活性2倍、琉球大などが厚さ0.5nmの白金ナノシート開発

燃料電池の触媒活性2倍、琉球大などが厚さ0.5nmの白金ナノシート開発

点線内が白金ナノシート(琉球大提供)

琉球大学の滝本大裕助教と信州大学の杉本渉卓越教授らは、燃料電池の触媒活性を2倍に向上させた白金ナノシート(ナノは10億分の1)を開発した。白金原子二つから三つ分の厚みのシートを作製し、大きな表面積を確保した。燃料電池のほか、排ガス触媒や化学合成触媒などの用途に提案していく。

白金酸塩の積層体を一枚一枚剝がして還元し白金ナノシートを作製する。層状白金酸塩から剝離した白金酸ナノシートの厚みは0・9ナノメートル。ここから還元処理で酸素を取り除いて厚さ0・5ナノメートルの白金ナノシートを作る。

粒径3ナノメートルの白金微粒子触媒と比較すると、燃料電池の電気化学反応を起こす活性表面積は1グラム当たり124平方メートルと、白金微粒子の約1・6倍だった。5000サイクルの耐久試験後も白金微粒子よりも大きな活性表面積を保てた。

酸素を還元する触媒活性は白金微粒子の約1・9倍。活性の劣化率を白金微粒子よりも抑えられた。同じ性能なら白金の使用量を半減させられる。

日刊工業新聞 2023年01月11日

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