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鍛圧機械受注は2年連続3500億円超か、プラス要因と多くのリスク

日本鍛圧機械工業会(日鍛工)は2023年暦年の鍛圧機械受注高予想を22年見通しと同額の3715億円に設定した。横ばいながらも、2年連続の3500億円超えを見込む。電気自動車(EV)や半導体関連などがプラス要因となるものの、地政学的な不安の影響など多くのリスクを抱える。日鍛工は「決定的な経済動向が予測できず停滞傾向になる」(事務局)との認識を示した。

 

プラス要因としては国内外のEV関連向けのほか、産業のデジタル化に伴う半導体製造装置関連、省エネルギー設備関連の設備投資の継続を見込む。ただ、ロシア・ウクライナ問題の影響や原材料高騰などの不安要素も引き続き残ることから、日鍛工は「プラス、マイナスの要因が相殺される」(同)と想定する。

 

プレス系機械や板金系機械、部品・金型・サービスの内訳や、プレス系・板金系両機械の国内外内訳などについても22年見通しと同額とした。プレス系機械は1545億円、板金系機械は1300億円、部品・金型・サービスは870億円。23年も引き続きEV化への自動車関連設備投資が期待されるものの、海外は主に為替の円安の影響を見込むことで、両機械とも22年から横ばいと予想する。

 

22年の受注総額は前年比12・1%増の3715億円を見込む。プレス系機械は同13・8%増で、国内外でのEV化対応や省エネ家電関連、半導体製造装置関連の新規投資需要がけん引する。板金系機械は同15・6%増で、補助金効果のほか半導体製造装置関連やインフラ、デジタル、建材関連向けが堅調に推移。部品・金型・サービスは同4・5%増を予想する。

 

プレス系・板金系両機械合計は同14・6%増。そのうち国内を同12・2%増の1565億円、輸出を同17・6%増の1280億円とした。


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日刊工業新聞 2022年12月16日

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