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「鍛圧機械」受注好調も、業界団体が抱く懸念

日本鍛圧機械工業会(日鍛工)が8日発表した2022年1月の鍛圧機械の受注実績は、前年同月比35・7%増の279億1900万円で、13カ月連続の増加となった。プレス、板金の両機械ともに国内外で好調だった。受注が堅調な一方で部品の調達難や輸送の混乱は続いており、受注残が積み上がる傾向にある。日鍛工では「納期遅延が受注を押し下げないか懸念される」(事務局)と注視している。

プレス系機械は同43・2%増の136億5700万円で、2カ月連続の増加となった。機種別では特に大型プレスが同6・2倍、中型プレスが同2・8倍と大きく伸びた。

板金系機械は同77・4%増の79億2100万円で、10カ月連続の増加。パンチングが同81・0%増、プレスブレーキが同60・2%増、レーザー・プラズマが同93・3%増だった。

プレス系・板金系両機械の合計は同54・1%増の215億7800万円だった。このうち国内は同83・6%増の114億9900万円で、自動車が同30・0%増、金属が同89・1%増、一般機械が同3・0倍、電気が同2・3倍となるなど全業種で増加した。

輸出は同30・2%増の100億7900万円だった。電気自動車(EV)を含めた自動車関連を中心に需要が拡大し、北米向けが同2・5倍、中国向けが同50・8%増と伸びた。そのほか、欧州向けが同36・5%増、韓国・台湾向けが同6・8%増、インドが同3・0倍となり、全地域的に上向いている。

納期遅延による受注への影響の懸念はあるものの、製造業の設備投資は国内外ともに活発化している。日鍛工では「世界的に経済面での新型コロナウイルス感染症問題の収束が近いと思われ、今後の設備投資への動向が期待される」(同)としている。

日刊工業新聞2022年2月9日

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