オリックスが計測器の独立系レンタル専門業者「レックス」を買収した背景
オリックスはレックス(兵庫県西宮市)を買収した。レックスは計測器の独立系レンタル専門業者で最大手。土木計測に強みを持つ。大手企業の研究開発部門向けを中心に計測機器のレンタル事業を展開しているオリックス・レンテック(東京都品川区)と相互補完関係を築けると判断し買収を決めた。協業効果として5年後に10億円以上の売り上げを創出する。
オリックスはレックスのオーナー一族から全株式を取得した。買収額は非公表。レックスの2021年8月期の売上高は約30億円。従業員数は11月1日時点で124人。買収後も雇用は維持する。
レックスは業歴40年で、主な取引先はゼネコンや工場・プラント建設業者、建機レンタル会社など。測量機器や環境計測機などの汎用品から、非破壊検査機器などの専門性が高い計器までそろえる。レンタル機器の製品群は約2000種類、2万7000台以上だ。
オリックスはレックスとオリックス・レンテックの営業網を融合するなど業務効率を高め、計測事業の収益拡大を目指す。具体的にはレックスのオンラインチャネルを使った営業網を活用し、接点が少なかった顧客や新規顧客などにアプローチする。
オリックスが20年に子会社化した計測ネットサービス(東京都北区)が提供する自動計測システム商材の顧客開拓も想定する。土木計測分野で「施工・維持管理」に属するレックス顧客の中で計測ネットが取引できていない顧客に訴求する。
日刊工業新聞 2022年11月25日