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オカムラが転換図る「働き方改革に直結した人事制度」の中身

オカムラは4月、人事評価制度の改定を行った。昇給と等級昇格のための評価項目を行動評価と業績評価の複合から業績評価だけにした。業績が給与に直結することで若手従業員でも賃金を上げやすくなる。併せて評価項目を経営方針に即した内容に変え、昇格基準の詳細を公開した。対象は一部のグループ会社を含む日本国内の全従業員で、海外事業所に出向する社員にも適用される。

同社は1990年代から労働環境の改善に取り組み、近年では加速する働き方改革に合わせて2年に1度ほどのペースで人事制度の改定を行ってきた。一方、働き方の多様化や、18年に導入した定年延長などによって従来の評価制度ではカバーしきれない箇所が出てきた。働き方や年齢に左右されない成果主義の業績評価にすることで「働き方改革に直結した人事制度」(佐藤喜一常務執行役員)への転換を図る。

従来の評価制度では年功序列的な賃金制度からの脱却が難しかった。新評価制度で「若手からシニアまで平等にチャンスが与えられ給与に反映される」(中條敦人事部長)体制への変革を狙う。

また昇格基準の公開によって透明性を高め、昇格には何が必要なのか従業員自身が分かるようにした。併せて評価項目を同社の経営理念「オカムラウェイ」にのっとった内容にすることで、会社の目指す方向性と従業員の行動を連動させ、何が評価されるのか分かりやすく変えた。

同社の昇格・昇給は4月に行われるため、効果が分かるのはこれから。運用の過程で見つかる課題があればその都度改定を重ね、働き方の変化に対応した制度であり続ける。

日刊工業新聞2022年8月30日

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