子供と工作しながらモノづくりを学べる「体験型焚き火台」
「小焚台」はその名の通り、「小さな焚き火台」。小枝を集めて乗せ火をつければマシュマロをあぶったり、冷えた手をかざして温めたりとリラックスした語らいの時間を楽しむことができる。ただこの小焚台、使う前にまず、手を動かして「作る」ことから始まる。開発を行った板金加工メーカーの小沢製作所の技術とアイデアが詰まった、ユニークなアウトドアギアだ。
中小製造業14社・約40製品が集まる! 「モノづくりの面白さ」「技術の奥深さ」を伝えるポップアップストア【小さな焚き火台づくりで板金加工を体感】
小沢製作所が工場を構える八王子市は豊かな自然に囲まれており、そのアクセスの良さから多くの人々がアウトドアを楽しむために訪れる。そんな環境から、同社では2019年よりモノづくりの発想と技術を生かしたアウトドアブランド「OZOPS」をスタート。コンパクトに折りたためるメスティン用のストーブをはじめとした、さまざまな製品を開発し注目を集めている。そんな中で「小焚台」は初めて子供向けに開発された製品だ。
「小焚台を作る過程はそのまま『板金加工』の過程なんです。子供たちに遊びながら、実践的なモノづくりを学んでもらえたらと思いました」
そう話すのは同ブランドの企画開発の中心を担う、小沢達史社長。小焚台は前述の通り、「作る」を体験できる焚き火台。最初はなんと一枚の板の状態だ。板厚は0.8mmで、幅0.5~1mmのスリット(切込み)が幾本も入っており、この切込みなどに沿って部品を取り外し、また折り曲げると、六角形の器部分が完成。同様に足部分の部品もとりはずし、曲げることで形を作り、あとは両部品をネジでつなげれば完成だ。板厚とスリットの幅の絶妙な調整で子供の力でも十分取り外しと組み立てができるようになっている。これはそのまま板金加工の「抜き」「ばらし」(切込みに沿って抜き出す作業)、曲げという基本的な工程を模しており、セットの紙やすりで仕上げとして「バリ取り」も体験できる。
【子供たちにもアウトドアを楽しんでもらうために】
キャンプは子供たちにとっても一大イベント。しかし、現地につけば大人は準備に大わらわ。どうしても子供は手持無沙汰だ。そんな時に小焚台を作ってそれを実際に使ってもらうことでモノづくりに加え、火の美しさと暖かさ、そして怖さも学んでもらえたらと小沢社長は思いを語る。モノがあふれる日本では「使う」という体験はありふれているが、そのものがどうやって「作られるのか」を知る経験はなかなかできない。親子で楽しみながらモノづくりを身近に感じてもらう、加工屋だからこそ考え、形にできた製品だ。
商品情報
商品名:小焚台
用途:お子様と一緒に「作って焚く」体験型の焚き火台
サイズ(mm)
<組立前サイズ>約210x 297x 1
<組立後サイズ>約155x 135x 55
価格(税込):2,200円
商品名:M8ストーブ
用途:メスティン専用固形燃料調理台
サイズ(mm)
<収納時サイズ>約140 x 50 x 10
<組立後サイズ>約170 x 160 x 90
価格(税込):3,300円
販売サイトURL:https://ozops.thebase.in/items/35654852
商品詳細サイトURL:https://ozops.tokyo/m8stove.html
商品名:EZペグ
用途:ハンマー不要の簡単設置ペグ
サイズ(mm):約90 x 85 x 3
価格(税込):2個セット1,540円 4個セット2,860円
販売サイトURL:https://ozops.thebase.in/items/59588244
商品詳細サイトURL:https://ozops.tokyo/ezpeg.html
商品名:STスタンド
用途:スウェーデントーチ専用焚き火スタンド
サイズ(mm)
<使用時サイズ>約250 x 250 x 345
<収納時サイズ>約345 x 222 x 12
価格(税込):14,300円
販売サイトURL:https://ozops.thebase.in/items/59588244
商品詳細サイトURL:https://ozops.tokyo/ststand.html
企業紹介
(有)小沢製作所 OZAWASS Corp.所在:〒192-0152 東京都八王子市美山町2161-6(美山工業団地内)
従業員数:11名
主な製造品:精密板金部品製造、レーザ加工、筐体製造(エレベーター、食品安全検査装置、工作機械、医療機器、半導体製造装置など)
板金加工の大敵は「ひずみ(歪)」だ。板金加工は金属の板をレーザで切り出し、機械で曲げ、またレーザやガスで溶接することで形を作る。金属が熱に触れる機会が多くこの際に金属が細かくひしゃげてしまうことを「歪」と呼ぶ。これが起きてしまうとほかの部品とうまくくっつかないなどの「不良」となってしまうのだ。板が薄く、形が複雑であればより一層難しくなるが、小沢製作所は0.5mmの薄板でも細かな切り抜きや溶接をこなす。適切な機械を用意するのはもちろんだが、一番の鍵は現場の「技術力」。板の厚さと材料の特長を理解し、ピッタリの出力を割り出して加工するのが技術者の腕の見せ所だ。
FACTORY’S GOODs 詳細情報
10月開催 BtoB展示&ポップアップストア @東京ビッグサイト
会期:2022年10月19日(水)〜21日(金)10:00~17:00
会場:東京ビッグサイト西4ホール F-01(東京都江東区有明3-11-1)
入場登録:要 (お申し込み https://autumnfair.nikkan.co.jp/)
日刊工業新聞社など主催の7つのビジネス展示会との併催です。申し込みサイトは2022洗浄総合展、Japan Robot Week 2022、VACUUM2022真空展、SAMPE Japan 先端材料技術展2022、スマートファクトリーJapan2022、高精度・難加工技術展2022、表面改質展2022と共通です。
入場料:入場登録者、招待券持参者、中学生以下は無料
11月開催ポップアップストア @WITH HARAJUKU
会期:2022年 11月18日(金)〜19日(土)11:00~18:00
場所:WITH HARAJUKU(東京都渋谷区神宮前1-14-30)
入場登録:不要
入場料:無料
特設Webサイト:https://biz.nikkan.co.jp/brand/factorysgoods/
展示会スポンサー
日進工具株式会社
株式会社ソディック
牧野フライス精機株式会社
碌々産業株式会社
株式会社牧野フライス製作所
一般社団法人日本工作機械工業会
株式会社アマダ
モノづくり日本会議
特集・連載情報
日本のモノづくりの面白さ、技術の奥深さ、その価値を、若者を中心に幅広い人々に伝えたい。モノづくりへの純粋な驚きと興味を広げ、次世代につなげたい―そんな思いを持った日刊工業新聞社の社員から生まれた企画です。
製品のファンを創出するだけでなく、今後の日本のモノづくりに興味を持ってもらうことで「持続可能な日本のモノづくり」を担う次世代の人材発掘も目指します。