「ラーメン」が最多、大手外食チェーン原材料高騰で値上げ相次ぐ
大手外食チェーンの約6割がメニュー価格を引き上げたことが、東京商工リサーチのまとめで分かった。値上げを公表した88ブランドのうち最多は「中華・ラーメン」で16ブランドだった。小麦や牛肉などの原材料を海外から調達する割合が高い業態を中心に値上げが相次いだ。値上げ幅は「5%以上10%未満」が最多だった。
国内の主な外食大手122社を対象に2022年に入って以降、値上げを実施したり実施予定だったりする企業を集計。71社が値上げに踏み切ることが判明した。同様の調査は7月に続き2回目。
ブランドを業態別で見ると、前回の調査で最多だった「ファストフード」を抜いて中華・ラーメンがトップとなった。小麦粉が材料の中華麺などのメニューを中心に値上げが続いた。次いで「ステーキ・焼き肉」、ファストフードがそれぞれ12ブランドだった。
各社の値上げ対象のメニューから代表的な商品を抽出して、値上げ幅も算出した。値上げ幅が判明した44ブランドのうち、最多レンジは5%以上10%未満で25ブランドだった。10%以上の値上げは11ブランドで、前回調査よりも構成比が高まった。
値上げの理由で最も多かったのは原材料の高騰だった。次いで物流、資源、人件費と続く。今後、燃料の最需要期である冬を迎え、さらなる燃料価格の上昇が懸念される。「収益悪化に抵抗するため、さらなる値上げを呼び込む可能性も残している」(東京商工リサーチ)。
日刊工業新聞2022年9月26日