キリンHDと明大が開発したスプーンとお椀で食事をすると塩味が変化する…!
キリンホールディングス(HD)は、明治大学の宮下芳明研究室と共同で減塩食品の塩味を約1・5倍増強する独自の電流波形を活用したスプーンとわん型のデバイス「エレキソルト」を開発した。デバイスと減塩の食事を提供し、食事満足度を評価する実証実験を電子商取引(EC)で減塩食を販売するノルト(兵庫県宝塚市)などと共同で9月から実施。キリンHDでは2023年にエレキソルトの販売を目指す。
エレキソルトは微弱の電流で食品中のナトリウムイオンの動きをコントロールし、塩味の基になるイオンを舌に集めることで濃い味を感じることができる。電流の強度を4段階で調節でき、0・5―1秒電流が流れるため、スプーンやわんに口を付けてゆっくり味わうことで効果を発揮する。
キリンHDの調査で、減塩食のユーザーがラーメンやみそ汁などの汁物を本来の塩加減で食べたいと考えていることが分かった。汁物を食べるのに適した食器のニーズが高いとみて、スプーンとわんのエレキソルトを開発した。
日刊工業新聞 2022年9月8日