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酒類市場は縮小、サッポロHDはどう成長するか

酒類市場は縮小、サッポロHDはどう成長するか

サッポロHD公式サイトより

サッポロホールディングス(HD)は酒類事業を中心に飲料、食品、外食、不動産と事業を展開している。酒類市場は新型コロナウイルス感染拡大や人口減少、若年層のビール離れなどで17年連続で縮小。こうした事業環境の中、食品事業や海外事業を強化しており、この方針に沿って、グループの体制も変化している。

サッポロHDは2003年に持ち株会社化して設立。酒類、飲料、外食、不動産の4事業会社を子会社化することで、各事業会社が経営のスピード化を図り、シナジーの創出を目指した。11年にはポッカコーポレーションを買収してポッカサッポロフード&ビバレッジを設立し、グループに食品事業を取り込んだ。13年にはサッポロ飲料と吸収合併して、グループの飲料と食品事業を一体化。さらに16年に神州一味噌の宮坂醸造を買収するなど、食品事業の拡大を図っている。食品事業への参入、強化の背景には、94年から17年連続で国内のビール類市場が縮小していることがある。酒類に次ぐ事業の柱を構築すべく、投資を進めている。

国内市場が縮小する酒類事業では、海外事業を強化すべく、06年にカナダのスリーマンを買収したほか、09年にはクローネンブルグベトナムを買収。北米やアジアを中心に酒類会社の取り込みを進めている。6月には米国のストーン・ブリューイングを買収し、米国での生産基盤を拡充した。尾賀真城社長は「成長は海外にある」としており、今後も海外では積極的なM&A(合併・買収)を進める方針だ。

一方、新型コロナウイルスの感染拡大で制限を受けるなど厳しい事業環境に置かれた外食事業では、2月にコーヒーチェーン「カフェ・ド・クリエ」を運営するグループ会社のポッカクリエイトを売却。ビアホールの「サッポロライオン」は不採算店の閉鎖など構造改革を進めている。サッポロHDは市場の変化をにらみながら、経営資源を食品、飲料事業、海外酒類事業に集中し、グループ全体の成長を目指している。

日刊工業新聞2022年7月28日

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