スバル「アイサイト」は渋滞時の身体的負担を7割減らす
SUBARU(スバル)は自社の運転支援システム「アイサイト」の搭載により、渋滞時に運転手の負担を大きく減らすことができるとする調査結果をまとめた。調査によるとアイサイト作動時は、非作動時よりも渋滞時に感じる精神的な負担が62%、身体的な負担が72%低かった。自動車専用道での渋滞時に運転負荷を低減する支援システムの機能が寄与した。
調査はユー・アイズ・デザイン(横浜市都筑区)が実施し、スバル車の保有者が参加した。米航空宇宙局(NASA)の研究所が開発し、運転負荷に関する研究で広く使われている「主観的作業負荷評価」を用いて、運転手が感じた運転負荷低減効果を測った。スバル技術本部ADAS開発部の丸山匡主査は「先進運転支援システム(ADAS)には衝突を回避する機能と運転負荷を下げる機能がある。これまで運転負荷を下げる機能を見える化することは難しかった」と調査の狙いを話す。
調査に使ったアイサイトXには、ステレオカメラと3次元(3D)高精度地図データで車両を制御する「渋滞時ハンズオフアシスト」や、操作することなく車両が自動で発進する「渋滞時発信アシスト」などの機能が搭載されており、これらの機能が渋滞時の運転負荷低減に貢献したとみられる。調査では順調に走行しているときでもアイサイト作動時の方が精神的な負担が44%、身体的な負担が63%低かった。
丸山主査は「アイサイトの機能を使うことで、他のことに注意が払えるので、より安全運転につながる」と、運転負荷を低減する意義を強調する。
スバルは2030年までに、スバル車による死亡交通事故をなくすことを目標に掲げており、その実現に向けてアイサイトの性能を高めることに力を入れている。
日刊工業新聞 2022年9月14日