火山の水蒸気噴火、地電流で予測できる!?

  • 0
  • 0
水蒸気噴火から3週間後の18年5月撮影の霧島硫黄山。水蒸気噴火地点には地下の熱水から供給された小規模な湯だまりが形成され、多量の噴気が発生(九大提供)

九州大学大学院地震火山観測研究センターの相沢広記准教授らは東京大学、鹿児島大学と共同で、火山による水蒸気噴火を地下水の移動に伴って発生する微弱な電流「地電流」の観測で予測できる可能性を示した。火山地下から熱水が上昇して地表付近の地下水が特異な動きをした時にのみ、水蒸気噴火が発生することを初めて明らかにした。マグマが直接関与しない水蒸気噴火は発生予測が難しかったが、地電流観測は噴火発生の直前予測に役立つと期待される。

近年、水蒸気噴火の数分前に傾斜変動を伴う微動が必ず観測されることが分かってきた。この微動は熱水上昇によるものと考えられるが、噴火しない時にも頻繁に発生し、噴火発生が何によって決まるか不明だった。

研究グループは、2018年4月に水蒸気噴火を起こした宮崎県の霧島硫黄山を対象に、約5年間の地震計や傾斜計、地電流計のデータを解析した。

その結果、熱水が上昇すると地下水が移動して地電流が変化するものの、噴火時は地下水の動きが異なり、地電流は噴火時にのみ大きく変動することが分かった。

噴火地点には冷たい地下水が大量に流れ込んでいる。微動があっても噴火未遂で終わる場合は、熱水上昇はあったものの地下水が熱水を冷やして噴火を防いだと考えられる。

地下水量が限界になり熱水を冷やしきれなくなった時点で爆発すると予想される。

多数の死傷者、行方不明者を出した14年の御嶽山(長野県・岐阜県)噴火も水蒸気噴火によるものだった。火口付近に人がいると小規模噴火でも重大な災害となり、発生予測手法の確立が求められている。

日刊工業新聞2022年9月9日

キーワード
九州大学 水蒸気噴火

関連する記事はこちら

特集

このサイトでは、アクセス状況の把握や広告配信などのためにクッキー(Cookie)を使用しています。オプトアウトを含むクッキーの設定や使用の詳細についてはプライバシーポリシーページをご覧ください。

閉じる