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ローカル5Gで建機自動運転、熊谷組が実施

ローカル5Gで建機自動運転、熊谷組が実施

京セラ製ローカル5G対応デバイスを搭載した不整地運搬車

熊谷組は京セラ、NECと共同でローカル第5世代通信(5G)を利用し、建機の遠隔操作と自動運転の実証実験を実施した。屋外実験ヤード内を移動する建機の位置、通信速度の情報を組み合わせることで、通信状況を視覚化する方法を確認。上り回線は毎秒40メガビット以上の高いデータ転送速度となり、遅延も50ミリ秒以下と低遅延を達成した。

今後、同様の現場環境で複数の建機を使い、無線LANとローカル5Gなど複数の無線通信システムを併用した実験も行う予定。高速で低遅延な無線伝送に磨きをかけ、建機の遠隔操作、自動走行など無人施工技術の高度化を目指す。

実験は熊谷組技術研究所(茨城県つくば市)の屋外実験ヤードで実施した。技術研究所の本館と土質実験棟にNEC製ローカル5G基地局を設置し、基地局から土質実験棟のサーバーを経由して遠隔操作室の通信機器まで回線を接続。建機(不整地運搬車)上には京セラ製ローカル5G対応デバイス「K5G―C―100A」を設置、車載カメラの4K対応映像をインターネット・プロトコル(IP)網の上り回線を通じてパケット伝送し、遠隔操作室のモニターに表示できる。

建機の無人施工は災害補修時の2次災害予防などの利用が期待され、大手ゼネコンが技術開発を進めている。

日刊工業新聞2022年8月23日

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