介護職員が足りない…2040年度に69万人不足へ
助手確保、支援員配置へ
厚生労働省は、介護職員の不足数について中期的な見通しを明らかにした。都道府県が推計した介護職員数を集計し、2023年度に約22万人、25年度に約32万人、40年度に約69万人が不足すると試算した。これを受けて厚労省は22年度中に介護人材を確保するため、介護職の業務周辺を補う人材と介護事業所のマッチングを図る仕組みを構築する。
同日開催された厚労省の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の介護保険部会に同省が提示した。介護職員は、19年度現在で211万人。今後、介護給付の対象となる介護サービス事業所、介護保険施設に従事する介護職員の必要数に、介護予防・日常生活支援総合事業のうち、会議予防訪問介護などに相当するサービスに従事する介護職員の必要数を加えて、将来の不足人数を算出した。
政府は、介護職員の処遇改善をはじめ、多様な人材の確保・育成、離職防止・定着促進、介護職の魅力向上、外国人材の受け入れ整備など総合的な対策に取り組んでいる。
その一環として厚労省は、介護人材を確保・支援するため、介護業務の助手人材と介護事業所とのマッチングの仕組み構築に乗り出す。各都道府県の福祉人材センターに「介護助手等普及促進推進員」を配置し、市町村社会福祉協議会などをめぐって周知し、介護助手希望者の掘り起こしを行う。
一方、介護事業所に対して、介護職の業務の機能分化や介護助手のステップアップの手法を助言。介護助手に関する求人提出の働きかけを行うことにより、介護の周辺業務を担う人材の確保を促す。
日刊工業新聞2022年7月26日