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東レが国内投入、脱VOCオフセット印刷の効果

東レが国内投入、脱VOCオフセット印刷の効果

軟包装水なしオフセット印刷システムによるパッケージ

東レは軟包装向けの印刷工程で揮発性有機化合物(VOC)を発生しないほか、二酸化炭素(CO2)排出をグラビア印刷に比べ約80%減らせるオフセット印刷システムを国内市場に投入した。印刷工程に有機溶剤を含まないためVOC発生がない上に、電子線(EB)硬化インキにより低エネルギー化できる。環境対応印刷で先行する欧州市場で発売したのに続き、国内でも提案営業を開始した。2022年度に数件の導入を見込む。

今回の「軟包装水なしオフセット印刷システム」は、東レのオフセット印刷用水なし平版を軟包装用に改良した「IMPRIMA FR」と有機溶剤を含まずに水で洗浄可能な水溶性インキを組み合わせた。スペイン印刷機メーカーのコメキシと連携して22年に欧州市場で発売。VOCを完全に排除できるシステムとして食品メーカーなどで採用が決まっている。

国内でも印刷作業の環境改善の機運が高まっている。これを機にコメキシの国内代理店と協力しながら、食品などの軟包装分野向けに提案を開始した。大手印刷会社では食品メーカーからの環境対応の要請もあり、22年度の導入に前向きで数件の受注を見込む。

軟包装分野はグラビア印刷が主流。インキ成分に有機溶剤を含むため乾燥でVOCが発生するほか、洗浄工程でも溶剤を使う。東レなどのシステムでVOCを排除できるほか、CO2の大幅削減も可能になる。榎本裕常務執行役員電子情報材料事業本部長は「世界で印刷機の更新需要が年間約1000台あると見られ、30年にこのうちの4―5割の獲得を目指す」としている。


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日刊工業新聞2022年7月22日

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