パナソニックエナジーが5500億円投資、米国にEV電池新工場の決め手
パナソニックエナジーは、米カンザス州に電気自動車(EV)向け電池の新工場を建設する計画を発表した。投資額は40億ドル(約5500億円)の見通し。稼働時期は未定だが、和歌山県で2023年度にEV用新型電池の量産ラインが立ち上がる計画で、これ以降の稼働になるという。稼働に合わせ、現地で最大4000人規模の人員を雇用する。米テスラ向け電池の供給体制を整備しつつ、需要拡大する他のEVメーカーの需要も取り込む。
パナソニックエナジーはパナソニックグループで車載電池事業を担う。工場新設にあたり、申請していた投資誘致補助金制度がカンザス州から承認された。同社は現在5000万キロワット時の車載電池の年産能力を28年度までに「3―4倍にしたい」(只信一生社長)計画を打ち出している。
主要顧客のテスラが4月に米国で2カ所目のEV工場を稼働させたテキサス州に近いことや、豊富な人材、クリーンエネルギーに対する関心の高さが、新工場の決め手となったもよう。
カンザス州のローラ・ケリー知事は新工場誘致を「経済成長と発展の原動力となる」と歓迎。只信社長は「今後もリチウムイオン電池業界の成長をけん引する」としている。
日刊工業新聞2022年7月15日