受注“快走”想定超えの日産軽EV「サクラ」、注文者の半数近くを占める世代

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日産軽EV「サクラ」

日産自動車が6月16日に発売した軽自動車の電気自動車(EV)「サクラ」の受注台数が、同28日時点で約1万7000台となった。日本の新車販売の約4割を占める軽市場に、他社に先駆けて投入したEVで「常識を変えるゲームチェンジャー」(星野朝子副社長)と位置付ける。軽の小回り性能やEVの静粛性を生かすとともに、先進運転支援システムを搭載し、内外装の高級感を追求するといった特徴付けを図った。“EV先駆者”のプライドをかけ、EV市場で競合の突き放しにかかる戦略は花開くか。(江上佑美子)

「受注台数は想定を超えている。半分が日産車からの乗り換え以外の新しい顧客だ」。マーケティング担当者は手応えを語る。サクラは床下に電池を収納することで室内空間を維持し、シートの座り心地なども追求。駐車時の操作支援システム「プロパイロット パーキング」を軽で初めて採用するなど、高機能化も指向した。

ただ、足元の好調さについては補助金効果が大きいとの認識だ。需要動向に関しては時間をかけて見極める必要があるとした上で「CMや店舗でのフェアで第二の山を作りたい」(マーケティング担当者)と意気込む。

6月13日時点では注文者の半分近くが60代以上だが、若い世代の取り込みも図っている。サブスクリプション(定額制)やオンラインなどの販売方法を用意。CMにはペルソナ(購入想定対象者)の40代である女優の松たか子さんを起用する一方、若い世代に人気のロックバンド「マカロニえんぴつ」の曲を用いるといった工夫をしている。

買い物や通勤など生活の足としての色合いが強い軽自動車にとっても、脱炭素に向けた取り組みは急務だ。ホンダは24年前半、ダイハツ工業とスズキは25年ごろに軽EVを発売する方針を示している。競合に先んじて投入したサクラについて、日産のマーケティング担当者は「(EVでは既に)リーフやアリアで実績を積んでおり、サクラでも両モデルと同等の電池の保証をしている。お客さまの安心感につながる」と自信をみせる。

サクラの電池容量は20キロワット時。日産は夜間に充電して日中の移動に活用するライフスタイルを訴求している。電力の需給逼迫(ひっぱく)が課題となっている中、非常時には自宅などに給電できる点も購買意欲を高めそうだ。

日刊工業新聞2022年7月11日

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日産 軽自動車 EV

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