シュレッダー古紙を利用、培養土・肥料製造企業のSDGs

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大石物産の園芸用培養土「実のなる野菜の土」。シュレッダー古紙を原料に使用した

大石物産(福岡県八女市、大石一正社長)は、家庭園芸用の培養土や肥料の製造を手がける。リサイクル材の活用など環境に配慮した製品開発に従来取り組んできた。

3月に福岡や佐賀、長崎の各県内にあるホームセンター(HC)で販売が始まったのが培養土「実のなる野菜の土」。同製品に配合した土壌改良資材は九州大学などと共同開発したものでシュレッダー古紙を原料に使う。

細かく裁断されたシュレッダー古紙は製紙原料には不向きで、多くが焼却処分される。そこで採用したのが、九大が研究する「トリコデルマ菌911」株。紙の繊維質を分解する能力が高く、古紙を栄養にできるという。土壌病害の発生を抑えて、植物の栄養吸収を助ける作用もある。高温環境への耐性が高く、45度Cで15時間。高温耐性は管理のしやすさにつながる。

原料のシュレッダー古紙は同社事務所で発生したもの。そのほか土壌改良資材には、浄水場で発生した土砂などの沈殿物を脱水・乾燥した浄水ケーキと呼ばれる材料と園芸用軽石を使う。浄水ケーキは菌のすみかとなる。保存性を向上させるための軽石には、他の製品の原料にしにくいサイズを使用して資源の有効活用を図った。

土壌改良資材の原料にするシュレッダー古紙

開発は福岡県リサイクル総合研究事業化センター(北九州市若松区)が支援し、2016年度以降に実施された三つの研究会を経て実現した。同センターは関係者の調整や研究費の面で後押ししている。

野菜の栽培に関する効果の検証では、福岡県農林業総合試験場(福岡県筑紫野市)が技術支援や農家への協力要請を行った。サラダ菜やトマト、大根で収量の増大を確認した。連作障害の軽減も期待できる。

卸先のホームセンター業界では、国連の持続可能な開発目標(SDGs)への取り組み機運が大手を中心に高まっているという。大石物産は取扱店舗を増やしていきたい考えだ。また将来は土壌改良材のみの製品化も検討する。

日刊工業新聞 2022年5月10日

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