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船価は回復も鋼材価格が高騰…造工会会長が語ったこと

日本造船工業会の宮永俊一会長(三菱重工業会長)はオンライン会見し、「船価は回復傾向に転じたが、鋼材価格の高騰が直撃しており、造船各社の厳しい経営が見込まれる」との見方を示した上で「鉄鋼、海運業界にさらなる理解を頂きながら経営を進めていく」と述べた。

日本造船工業会によると2020年秋頃から現在までに船価が約1・2倍に上昇する一方、鋼材価格は約1・7倍になったという。

宮永会長は「業界再編や技術力の強化でバーゲニングパワーを高める努力を重ねる」と造船業の自助努力の重要性を指摘した上で、鉄鋼や海運業界にもメリットのある提案を通して「ウインウインの関係を築かなければならない」とした。

日本造船工業会は同日、中長期の新造船建造需要量予測を公表、40年までに年平均で約7000万総トンとした。コンテナ積みカーゴや10年前後に大量建造された船舶のリプレース需要などが背景にあるという。

日刊工業新聞2022年6月16日

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