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PCR検査の前処理を自動化する「マイクロチューブキャッパー」の仕組み

国士舘大が開発
PCR検査の前処理を自動化する「マイクロチューブキャッパー」の仕組み

マイクロチューブキャッパー(国士舘大提供)

国士舘大学の神野誠教授と野々山良介特別研究員は、生命科学実験やPCR検査などで多用されるマイクロチューブを自動で開閉栓するマイクロチューブキャッパーを開発した。2本のアームを回転させるシンプルな構造で5社7種類のマイクロチューブを滑らかに開閉できる。ロボットシステムに組み込み、PCR検査前処理の自動化を目指す。

マイクロチューブの前後に2本のアームを配置した。手前から開栓アームがチューブに爪をかけて開き、チューブの後ろから閉栓アームがふたを閉じるように動く。1本のアームが一つのモーターで駆動する。シンプルな回転運動を二つ組み合わせるだけで複数社のマイクロチューブに対応させた。

大きさは78ミリ×124ミリ×145ミリメートル。ロボットシステムに組み込めば、チューブを開けて試薬を加えるなどの作業ができる。マイクロチューブはメーカーによってふたの形がわずかに変化する。

多軸ロボで開閉すると専用の治具と複雑な動きが必要になってしまう。開閉栓を自動化できるとシンプルな直交機構で各専用機をつなぎ、遠心や加温、撹拌などの一連の作業を自動化できる。

日刊工業新聞 2022年6月16日

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