医療・公共施設、飲食店にも…広がるロボット活用の今をまるっと紹介

連載・The ROBOT #01・ウィズコロナを見据えた新たなロボット需要

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コンテナ内で稼働する、川﨑重工業の自動PCR検査ロボット
2020年から新型コロナウイルス感染拡大を中心に、5G(第5世代移動通信システム)の導入開始など、我々を取り巻く環境が様変わりしつつある。技術やアイデアを駆使し、感染防止などを中心とした目的で、人と寄り添えるロボットを「育てる」動きが増している。3月8日発売のロボット情報誌「The ROBOT」では、各業界の産業用/サービス用ロボットに着目し、さまざまな切り口での技術動向などを探った。ニュースイッチでは「The ROBOT」に掲載した「特集」や「インタビュー」の一部を公開する。

長引くコロナ禍の中、「非接触」「非対面」の対応で感染リスクを低減し、安全・安心な生活や事業継続を実現するために、さまざまな分野でロボットおよびロボット技術への期待が高まっている。特集1では、業務・サービスロボットの市場動向を紹介するとともに、医療施設や公共施設、飲食店の現場などでの事例を元に、ロボット活用の新たな方向性を探る。

新型コロナ対策ロボット:医療

ファームロイド(東京都板橋区)は「バイオロジー(生物学)」と「エンジニアリング(工学)」の技術を融合し、細菌やウイルスなどが持つ潜在能力を活用した技術開発を行っている。銀座農園(現GINZAFARM、東京都中央区)の関連会社として、2013年に設立。同社は、新型コロナウイルス対策向けに紫外線照射ロボット「UVバスター」を開発し、医療施設などに多数導入されている。

川崎重工業は産業用ロボットを活用し、社会課題の解決に乗り出している。新型コロナウイルスへの感染有無を産業用ロボットで自動検査する「自動PCR検査ロボットシステム」を開発。2021年から検査サービスとして自治体や空港で、渡航者向けに提供している。川重では同検査システムで感染者数の監視や管理を進め、社会活動の正常化や経済活動の復興につなげたい考えだ。

新型コロナ対策ロボット:フード

TechMagic(テックマジック、東京都江東区)は、人工知能とロボティクスを利用した調理ロボットや業務ロボットなどによるソリューションを展開する、注目のロボットベンチャー。味の素、日清食品、キユーピーなど名だたる大手食品メーカーとの協業をしており、世界中に調理ロボットと業務ロボットの提供を目指している。

TechMagicのパスタ調理ロボット

メーカーの異なるロボットを独自プラットフォームで制御するロボティクスサービスプロバイダーのQbitRobotics(キュービット・ロボティクス、東京都中野区)。飲食向けサービスロボットは、省人化ではなく省力化が重要と説き、ロボット導入環境整備に力を注いでいる。

新型コロナ対策ロボット:総合・地域

ZMP(ゼットエムピー、東京都文京区)は新型コロナウイルス感染症対策として、倉庫や工場の無人化・省人化に関する自社製ロボット活用や、無人宅配ロボットの公道での実証実験などに取り組んでいる。少子高齢化による人口減少を背景に、運送・物流分野におけるロボット活用ニーズはもともとあったが、コロナ禍で無人化や自動化に対するニーズが一気に加速。同社のコロナ対策関連ロボットに対する引き合いも増えている。

神奈川県は人口減少や高齢化社会による政策課題への解決策として国の地域活性化総合特区制度を活用し、2013年から相模原市や平塚市など12市町村の「さがみロボット産業特区」で生活支援ロボットの実用化と普及促進に取り組んできた。新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、その対策が喫緊の課題となって2021年度、医療施設などでコロナ対策となるロボットの導入実証「新型コロナウイルス感染症対策ロボット実装事業」を実施している。

茨城県つくば市は、市内の公共施設に除菌ロボットを試験導入する取組みを、2020年10月から半年間実施した。市内の2社が開発した自律走行型の移動ロボットを採用。人手による作業をロボットで代替することで、新型コロナウイルスの感染リスクを抑制できる可能性を示した。技術実証の場を提供することで、市内のロボット関連企業の育成にも寄与。「ロボットの街つくば」を掲げる市では、こうした取組みを通じ、ロボット技術を活用した安心・安全な社会の実現を推進している。

さまざまな取組みが行われているつくば市

<雑誌紹介>

 雑誌名:ビジネスチャンスが見えるロボット情報誌「The ROBOT」(機械設計2022年4月別冊)
 税込み価格:1,100円

<販売サイト>
 Amazon
 日刊工業新聞ブックストア

<特集目次>
 特集1:ウィズコロナを見据えた新たなロボット需要
 業務・サービスロボットの市場動向を紹介するとともに、医療施設や公共施設、飲食店の現場などでの事例を元に、ロボット活用の新たな方向性を探る。
 特集2:よりフレキシブルに!5Gで進化するロボット活用方法
 製造工場や医薬、農業などでの実証事例、導入事例を元に、5Gを活かしたロボット活用の可能性をレポートする。
 特別企画1:水上・水中ロボット最前線
 水上交通網の構築を目指した自律航行システム、水中における検査や調査のための水中ドローン、生体群制御とロボット技術を活用した水産業の自動化、といった切り口からロボットの新たな活用領域を切り開こうとしている企業の動きを追う。
 特別企画2:これから注目のロボットスタートアップ
 ロボットを活用して、さまざまな社会課題に立ち向かうスタートアップ企業がつぎつぎと生まれている。今後の飛躍が期待できそうなスタートアップ企業のバックグラウンドや起業に至った経緯、技術開発などを通じてその可能性を探っていく。


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ビジネスチャンスが見えるロボット情報誌「The ROBOT」(機械設計2022年4月別冊)

キーワード
ロボット 機械設計

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