音を拾える空飛ぶロボットが面白い!
舞鶴工業高等専門学校の若林勇太講師と松本壮太専攻科生は、飛行型ソーシャルロボット「フーボ」を開発した。バルーンの浮力で重さを釣り合わせ、羽根でパタパタと空中を飛ぶ。音源の方向を推定する機能を設けた。無個性で簡素なデザインのためユーザーが解釈する余地が大きい。簡単に組み立てられ、子どもがフーボの顔を描くことで愛着を持たせやすい。
バルーンに制御を担うコアと2枚の羽根を取り付けて構成する。バルーンの浮力は最大25グラム。そこで総重量を23グラムに抑えた。羽根はプラスチック棒にナイロン生地を広げ、根元のサーボモーターで羽ばたく。翼の長さは15センチメートルで両羽根を広げると75センチメートルほどになる。
コアは電池や制御回路に加えて、4方向にマイクを並べてマイクロホンアレイを構成した。現在の音源方向の推定分解能は90度。白色雑音の推定精度は100%だが、人の声は67%程度だった。
空中を飛ぶため存在感があり、オモチャのように忘れられない。組み立て作業は簡素化し、普通の人が作れる。子ども向けのロボット教材になるほか、ユーザーが自身で作る行為を通して愛着を高められると期待される。
日刊工業新聞 2022年6月16日