“子育て世代にやさしい”協和キリン高崎工場に見る、生産現場のダイバーシティー

通勤バス・DXで働きやすく

  • 0
  • 0
朝礼では一人ずつあいさつするなどコミュニケーションを活発にしている

協和キリンはバイオ医薬品の生産を担う主力の高崎工場(群馬県高崎市)に、新たに従業員向けの教育設備や保育園を設ける。実地訓練が可能な設備で優秀な人材を育成するほか、増加しつつある子育て世代の従業員の働きやすさを向上するのが狙い。同工場では100億円超を投じ、2024年4月完成予定で原薬の製造棟を建設する計画が進む。最新のデジタル技術も導入し、設備増強とともに教育や職場環境の整備に取り組んでいる。

高崎工場では旺盛な需要に対応するため、バイオ医薬品の生産や原料の品質分析などを行う新品質棟を建設中で10月にも稼働する見通し。これに続き、独自の抗体技術やタンパク工学を活用したバイオ医薬品の原薬を作る製造棟を新たに整備することを決めた。

こうした背景から、同工場では活発な採用活動を行い、年々人員を増強している。高崎地区は都内からは遠いイメージだが、新幹線なら約1時間と通勤圏内。18年に高崎駅から工場直通の通勤バスの運用を始めたところ「当初はガラガラだったが、今は2台並んで走るほど利用者が増えた」(生産本部長の藏夛敏之執行役員)と効果は大きかったという。

一方、工場の敷地内に新たに保育園を設置し、23年1月に開園する予定。分析業務の拡大で女性従業員が増えており、「女性に限らず子育て世代のニーズに応え、通勤のしやすさと働きやすさの向上に努めた」(同)。一部ではリモート業務の体制も整いつつある。

新製造棟では従来の座学中心の教育に加え、実際の機器を使ったレベル別の訓練を実施する計画だ。デジタル変革(DX)も加速し、スマートファクトリー化を目指す。新卒者やキャリア採用で新しい仲間が増える中、「早く文化を根付かせる」(同)ため、朝礼では一人ずつあいさつするなどコミュニケーションを活発にして、一体感を醸成する試みも行う。

設備増強中の高崎工場、DXが進む

「グローバルDE&I(多様性、公平性、包括性)宣言」を策定し、LGBTQ(性的少数者など)への取り組みにも積極的な協和キリン。30年までに女性リーダー比率40%を掲げる。工場でも多様な制度を整え、誰もが働きやすい職場づくりへ改革を急ぐ。(藤木信穂)

【ポイント】高崎工場は高齢者や外国人は少数だが、女性比率は現在45・7%と年々増えており、保育園導入への期待は大きい。世界中に医薬品を供給する製薬メーカーとして、海外との密なコミュニケーションにも力を注ぐ。

日刊工業新聞 2022年6月9日

関連する記事はこちら

特集

このサイトでは、アクセス状況の把握や広告配信などのためにクッキー(Cookie)を使用しています。オプトアウトを含むクッキーの設定や使用の詳細についてはプライバシーポリシーページをご覧ください。

閉じる