SDGs推進へ、日本ミシュランタイヤの「ドリームプロジェクト」
日本ミシュランタイヤ(東京都新宿区、須藤元社長)は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の実現に向けて人類が取り組むべき課題について、長期的な視点に立った活動を推し進めている。その中核に位置付けられているのがグループとして全世界で展開する「ドリームプロジェクト」だ。
同プロジェクトのポイントは、具体的なテーマや取り組む内容について外部から広く意見を募り、集約すること。国内では、群馬県太田市の太田市立太田高校、ぐんま国際アカデミー(GKA)の生徒が参加している。
「サステナビリティー(持続可能性)が重要なのは疑う余地がない。将来を担う若い世代がどのように感じているのか、広く意見を聞いてみたい」。須藤社長は高校生から意見を集約する狙いをこう強調する。
今後、国内外で聞き取った意見をグループ全体で集約していく。「人類のさまざまな課題に対し、ミシュラングループとしての強みや情熱を掛け合わせ、最も貢献できることは何かを探っていく」(三輪唆矢佳広報部長)とし、年内をめどに具体的な取り組みなどを公表する予定だ。
公表後の活動についても、社内だけでなく広く外部の機関と連携しながら展開していく。「自社だけでは実現できることが限定される。仲間を集めて取り組めば成果もより大きくなる」(須藤社長)と期待する。
同社は2021年末、23年夏に東京都新宿区の本社を群馬県太田市に移転する計画を表明した。移転の表明後、「地元企業との連携でアイデアを提供してもらう機会が増えた。これからも輪が広がっていくだろう」(同)と話すように、今回のプロジェクトによって地元での協業加速につながる可能性がある。
50年までにイノベーションリーダーとして認識されることを目標に掲げるミシュラングループ。主力のタイヤ製品をはじめとする事業活動の知見を基に外部の協業が一段と強化されることで、社会課題の解決にも大きな貢献が見込めそうだ。