クレジット会社がECポイントを拡充する背景

コロナ影響、ネット通販の取扱高増

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写真はイメージ

三菱UFJニコスなどクレジットカード会社が、ネット通販を利用した際にポイントを上乗せできるサービスを拡充している。新型コロナウイルス感染症の影響で日用品での電子商取引(EC)消費額が増加する一方、物価上昇などで消費マインドは落ち込んでいる。カード会社は“ポイント”をきっかけに消費者の節約志向に応えながら、ネット通販市場での取扱高を拡大したい考えだ。(日下宗大)

三菱UFJニコスはポイントがたまる通販ポータルサイト(ポイントモール)「POINT名人.com」を刷新して利便性を高めた。同サイトはネット通販大手の楽天市場やヤフーショッピングのほか、百貨店や食品、家電の通販サイトへのポータル(玄関口)となり、各サイトの買い物でポイントがたまるカード会員向けサービスだ。

今回の刷新により獲得ポイントや購入履歴などが確認できる「マイページ」などを新設。プッシュ通知機能も設けて会員がお得感を持てるように工夫した。

同様のポイントモールは他社も展開する。三井住友カードは「ポイントUPモール」、JCBは「OkiDokiランド」、クレディセゾンは「セゾンポイントモール」がある。

コロナ禍により非接触で買い物ができるネット経由の消費支出が増えている。経済産業省の調査によると、2020年の消費者向けEC市場は、旅行などの「サービス系分野」が落ち込んだ影響で全体は前年と比べて微減だった。しかし、食料品や家具・家電などの「物販系分野」が前年比約21%増の12兆2333億円に増加。身近な生活品の購入では今後もネット経由が増えると見込まれ、クレジットカードの利用もさらに増える模様だ。

一方、消費者の節約マインドは高まっている。内閣府が実施する消費動向調査によると、今後半年の消費者心理を示す「消費者態度指数」は3月まで3カ月連続で悪化。4月は上昇したが、前月比0・2ポイント増の33・0だった。1年後の物価見通しも「上昇する」の回答が93・7%になり、消費者マインドの基調判断は「弱い動きがみられる」とした。

カード各社は消費者の日々の買い物でのEC利用拡大と節約志向の両面に対応できるサービスとしてポイントモールの充実を図りたい考えだ。さらにポイントモール出店企業にとってもカード会社の会員基盤で商売ができるメリットがある。ポイントモールはカード会社、カード会員の消費者、出店企業の3者が“うまみ”を得られる経済圏となっている。

日刊工業新聞2022年5月11日

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