3年ぶり増加した「建機出荷額」、ウクライナ情勢・中国コロナショックの影響は?
北米・欧・アジア輸出けん引
日本建設機械工業会(建機工)が発表した2021年度の建設機械出荷金額は、前年度比31・5%増の2兆9110億9300万円と、3年ぶりのプラスになった。内訳は内需が同1・2%増の9978億6200万円で2年ぶりのプラス。輸出向けは同55・7%増の1兆9132億3100万円で3年ぶりのプラスとなった。輸出の大幅増が全体をけん引している。
足元の3月単月も、前年同月比で内需が5カ月連続の増加、輸出向けが17カ月連続の増加と基調に変化はない。建機工は「ウクライナ情勢や中国のコロナショックの影響が出てくるのは4月以降」とみている。
2月に公表した21年度需要予測修正値に比べると、内需はやや届かなかった半面、輸出は上回った。輸出では3大輸出先である北米、欧州、アジアがそれぞれ前年度比65・2%増、同45・0%増、同84・6%増と大幅プラスになり、オセアニアも同39・9%増だった。
コロナ禍で落ち込んだ経済活動の活発化と公共需要、住宅需要が数字を押し上げ、機種別の輸出では油圧ショベルが同50・6%増の7396億6200万円、ミニショベルが同44・4%増の3295億5500万円、建設用クレーンが同42・0%増の719億9700万円になった。世界が好調の中で、中国だけは前年度増加の反動もあり、同26・8%減と落ち込んだ。
3月単月では全体が前年同月比17・7%増の3410億6100万円で17カ月連続のプラス。北米の輸出が15カ月連続、アジアが13カ月連続のそれぞれ増加となった。
日刊工業新聞2022年4月28日