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日立建機が生産ライン増強、戦略投資30億円の使い道

日立建機が生産ライン増強、戦略投資30億円の使い道

滋賀工場の生産ライン

日立建機は、子会社の日立建機ティエラの滋賀工場(滋賀県甲賀市)関連で合計30億円を投資し、ミニショベルやミニホイールローダーの生産能力を2025年度までに21年度比3割増やす。21年度の能力は3万台弱。生産ライン増強に加えて製品試験場も強化する。滋賀工場から1・3キロメートルの距離にある、ひのきが丘工業団地(同)に約1万8400平方メートルの土地を購入、6月に新試験場を着工し、24年度に稼働させる。

北米や欧州のミニショベル需要増加に対応するのが狙い。北米は22年3月から米ディア&カンパニーとの合弁を解消、自前営業に切り替えており、住宅市場の好調もあって製品供給ニーズが高まっている。欧州は環境対応の観点から電動化建機の需要が多く、6月から5トン級の電動ミニショベル「ZX55U―6EB」の受注を始める計画だ。同機種は滋賀工場で開発、生産している。

引き続き電動ショベルの掘削試験やミニホイールローダーの走行試験、構造物の強度評価などの需要も伸びていることから、試験場の面積を現在の約2倍に拡張する。各種試験を並行して行えるようにして実施速度を上げ、電動ショベル開発の迅速化などにつなげる考えだ。

日刊工業新聞2021年4月22日

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