人間の骨格が画像でわかる!?ネクストシステムのAI技術に驚嘆

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ネクストシステムが開発・販売するAIエンジン「ビジョンポーズ」の検出イメージ。動画・静止画から複数人の骨格を30のポイントで同時検出する(同社提供)

ネクストシステム(福岡市南区、藤田義生社長)は、人間の骨格を画像から瞬時に検知する、自社開発の人工知能(AI)エンジン「ビジョンポーズ(VP)」の利用の場を広げている。医療福祉からスポーツ、産業など採用分野は幅広い。データ処理の速さを生かし、機器への組み込みも進む。藤田社長は「最先端技術を駆使し、誰もが快適で便利な幸せを感じられる未来をつくりたい」と展望を語る。

基幹製品の「VP」は動画、静止画から複数人を同時に認識できるシステム。標準で顔、胴体、手脚といった30カ所の関節などを検出する。発売から2年半で販売先は250社に上る。主な利用先にはトヨタ自動車のリハビリ支援ロボット、エイベックスのダンス技術評価ソフトウエア、NECの顔認証システムなどがある。

VPには拡張性を持たせており、深層学習による利用者側での精度向上や、ダンス向けの検出点として、かかとを加えるようなこともできる。

ウシの骨格検出にも成功した。特有の動作から病気や発情期の兆候を検出し畜産業の負担軽減につながる。「複数のウシを同時検出できるのは世界初」と藤田社長は胸を張る。

VPはリアルタイム映像の分析に対応する。人を点と線で認識するためデータが小さく、処理が速い。VPを組み込んだネットワークカメラ、AIチップも提携メーカーから発売されている。

監視カメラの派生機能として、画角上に設定したエリア内の人数検知や特定部位の侵入を検知できる。複数人での作業を義務づけた現場での1人作業や、展示品に手を触れるといった条件に対応する。店舗の商品棚のマーケティング分析にも応用可能だ。

マーカーなしにバーチャルのアバター(分身)と動きを連動させるなど、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)との親和性も高い。

開発中のシステムでは時系列データから動作を登録、検出することを可能にする。負荷のかかる作業や転倒といった危険の検知や労働改善につなげる行動解析ツールとなる。3次元で動きを推定し、画像の角度を問わず動作を検出するソリューションを目指す。

海外販売も積極化する。藤田社長は骨格検出について「圧倒的に先行する企業はない。難しいところに挑戦し、勝負できる限り勝負する」と意気込む。採点競技の技術審査への採用にも意欲的だ。「客観的に採点できる。2024年パリ五輪の頃には実用化しているのでは」と実現に向けた姿勢は前のめりだ。(西部・三苫能徳)

日刊工業新聞2022年3月25日

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