TSMC誘致で半導体関連企業の投資活発、ジャパンマテリアルは12億円で新工場
ジャパンマテリアルは11月をめどに熊本県で新工場を稼働し、台湾積体電路製造(TSMC)などが2024年に稼働する半導体製造工場向けの配管加工などを始める。特殊ガスや薬液の保管・供給、半導体製造装置メーカーとの協業にも活用する。TSMC新工場の近隣に約6万6500平方メートルの土地と工場を購入した。投資額は約12億円。ジャパンマテリアルで最大規模の拠点となる。TSMCの誘致により半導体関連企業の投資が活発になってきた。
ジャパンマテリアルの新工場は熊本県大津町で、TSMCなどの新工場から車で約10分の立地となる。3棟ある工場建屋は部分2階建てで、延べ床面積の合計は約1万2000平方メートル。稼働当初の人員は協力会社を含めて120人程度になる見通し。TSMC新工場向けの特殊ガスや水回り配管の加工や材料置き場として稼働を始める。23年をめどに、ガスや薬液を安全に保管する保管庫も設ける。
ジャパンマテリアルは新工場から特殊ガスなどを供給しつつ、追加の工事受注につなげていく考え。協業する半導体装置メーカーとともに常駐して、配管設備工事、装置の立ち上げ・保守などに対応する技術・営業・サービス拠点として活用する。
また、ジャパンマテリアルは三重県の拠点で複数社の特殊ガスを集約し、東北地域にまとめて配送する物流の仕組みを運用しており、熊本でも同様の仕組みを取り入れることを検討している。新工場周辺に立地するTSMC以外の半導体関連工場向けの販売拡大に生かす。
日刊工業新聞2022年4月14日