四半期報告書は廃止へ、決算短信に一本化で企業負担を軽減できるか

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金融庁は金融商品取引法上の「四半期報告書」を廃止し、証券取引所の「四半期決算短信」に一本化する方向で検討に入った。6月までに金融審議会の作業部会で取りまとめる。法令上の四半期報告書と取引所の四半期決算短信は内容が重複する項目もあり、四半期決算短信に一本化することで、開示内容を後退せずに企業の開示負担を軽減する。四半期報告書の義務付け廃止には金融商品取引法の改正が必要で、早ければ2023年の通常国会にも改正案の提出を目指す見通しだ。

四半期決算制度は投資家や企業の短期的利益への志向を助長するとの意見と、中長期的視点に立った経営にとっても目標に対する進捗(しんちょく)度の確認として重要だとの両論の意見がある。法令上の四半期報告書と取引所の四半期決算短信の二つの開示が併存し、企業に多大な負担をもたらしている。そのため、四半期決算は廃止せず、一本化する方向だ。

四半期開示の一本化と同時に、投資家に対する適時で正確な情報の提供が求められる。四半期決算短信の位置付けについては、四半期開示以外のタイムリーな開示のあり方と併せて22年内をめどに検討する。

経済界からは四半期開示の義務付け廃止を求める声が強い。関西経済連合会は現行の四半期開示制度は膨大な人的資源を投じる必要があり、長時間労働是正などの観点からも問題があると指摘。中長期的視点で企業を評価する制度を整備すべきだと提言した。

日刊工業新聞社が21年に上場企業などを対象に実施したアンケートでは四半期開示見直しを「評価する」と回答した企業は全体の63・5%に達し、中身として提出義務の一本化が32・4%だった。

日刊工業新聞 2022年4月14日

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