どうなる「四半期開示」の見直し、検討に必要な視点

金融庁、中長期の投資促す方策探る

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「新しい資本主義」実現に向け、企業の開示負担を軽減し、中長期的な投資を促す策を検討

金融庁は、企業が業績などを3カ月ごとに公表する四半期開示の見直しに向けた議論を始める。四半期開示は企業や投資家による短期的な利益追求を助長しているとの指摘があり、金融審議会(首相の諮問機関)の作業部会で在り方を検討。岸田文雄首相が提唱する「新しい資本主義」実現に向け、企業の開示負担を軽減し、中長期的な投資を促す方策を探る。

四半期開示は2008年に上場企業を対象に義務化され、これまで記載事項の簡略化などが行われてきた。直近では18年に見直しを議論したが、制度が任意になれば、企業の開示姿勢が後退したと海外投資家から受け取られかねないとして見送られた。

国内の上場企業には、四半期開示が柔軟化されれば、事務作業や資金の負担が減るとの期待も見え隠れする。ただ、欧州では開示義務が廃止された後も、大手企業は任意での公表を継続。金融庁幹部は「仮に義務でなくなっても(4月に発足する東証の最上位市場)プライムの企業には引き続き開示が求められるだろう」と話す。

大和総研の鈴木裕主席研究員は「四半期開示によって企業の長期的な成長が本当に損なわれているのか、根拠に基づいた検討が必要だ」と指摘。その上で「開示を見直す場合は、従業員や取引先への確実な還元につながるようにすべきだ」と話している。

日刊工業新聞2022年1月25日

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金融庁 四半期開示

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