トヨタ系が挑む、「EV電池」生産性100倍への道筋

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プライムアースEVエナジーの車載電池

トヨタ自動車が車載電池の原価低減を加速する。傘下のプライムアースEVエナジー(PEVE、静岡県湖西市)は、2024年頃をめどに現状比2割以上の引き下げを目指す。プライムプラネットエナジー&ソリューションズ(PPES、東京都中央区)は、25年に生産性を20年比で100倍に高め、原価を6割低減する計画だ。電池は車両コストの多くを占め、競争力に直結する。内製技術を生かし、コストも含めた電池の調達力を強固にする。

PEVEはハイブリッド車(HV)用電池を手がける。24年ごろの実用化をめどに開発中の次期型電池では、ムダな工程を省くことによる生産リードタイムの短縮や、稼働率の向上、不良率低減、レアアース(希土類)といった資源の使用量を減らせる技術開発などで、2割以上の原価低減を図る。

PPESはパナソニックとの共同出資子会社で、同社の角形電池事業を移管する形で20年に発足した。HVのほか、プラグインハイブリッド車(PHV)や電気自動車(EV)用の電池を手がける。現在は自動車メーカーや車種ごとに異なっている化学組成などの仕様を一部共用化し、標準モデルを作り、コスト削減につなげる。

電池コストの5―6割を占める部材調達では、トヨタや豊田通商といったトヨタグループのほか、三井物産、三菱商事、岩谷産業といった外部企業からの出向者が加わり調達戦略を練る専門部隊も設けて対策を始めた。生産設備の小型化などによる生産リードタイムの徹底短縮も進める。

トヨタは21年末、これまで年200万台としていたEV販売台数を、350万台にする目標を公表。HVやPHVなどを含めた電動車の世界販売目標も従来の800万台から上振れするとみられる。

ただ現状ではEVの車両コストの3―4割を車載電池が占めるとされ、価格を押し上げている。コスト高が各社のEV事業の収益を圧迫する要因になっている。電池の原価低減は競争力を高める上での重要なテーマだ。

日刊工業新聞2022年4月14日

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