ファナックは新工場検討、EV電池・半導体狙うロボメーカーたちの増産戦略

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電機自動車のバッテリー搬送を想定したファナックの「M―1000iA」(2022国際ロボット展)

産業用ロボット各社が相次ぎ増産する。労働人口の減少や省人化、3密(密閉・密集・密接)回避など社会課題の解決手段として需要が広がるほか、半導体や電動車の世界的な生産拡大に対応するためだ。「新工場を検討している」(山口賢治ファナック社長)企業もあり、投資意欲は旺盛だ。部品不足など懸念材料はあるが、各社とも増産を急ぐ。

ファナックは本社工場(山梨県忍野村)と筑波工場(茨城県筑西市)で産業用ロボットを生産しており、月1万1000台としていた生産能力を同1万4000台に引き上げる。遅くとも2年後までには同1万6500台にする計画。「これで持つのは数年」(山口社長)と一段の増強も視野に入れる。

ロボット各社が注目するのは中国を中心とする電気自動車(EV)用バッテリーや半導体関連の投資合戦だ。「1―2年内にロボットが欲しいという要求は強い」(山口社長)という。三菱電機名古屋製作所(名古屋市東区)の大塚亨ロボット製造部長も「中国に加え、欧米や日本でもリチウムイオン電池や半導体に関する自動化の引き合いは強い」と明かす。

三菱電機は名古屋製作所と中国工場(江蘇省常熟市)の生産効率と試験設備の能力を増やし、22年度上期(4―9月期)に前年同期比3割増産する。川崎重工業はシェア約5割を握る半導体搬送用ロボット(クリーンロボット)の生産台数を21年度に前年比約3割引き上げる。ヤマハ発動機は浜松ロボティクス事業所(浜松市北区)を拡張する。「1年早く決めたかったくらいだ」(日高祥博ヤマハ発動機社長)。

安川電機は本社(北九州市八幡西区)のロボット工場のラインを刷新。変動に強い生産体制を築く。検査や試験、塗装は完全自動化を進め、組み立て、部品搬送には協働ロボットを活用する。小川昌寛代表取締役専務執行役員は「生産に2―3割の増減があってもコストを一定にできる」という。

一方、懸念材料は部品・半導体不足に加えて「物流はウクライナ情勢の深刻化もあり不透明感が増した」(伊藤雅文芝浦機械常務執行役員)。直面する課題に対応しつつ、顧客の成長に追随することで「22年度の売上高や受注は前年を上回る」(中村成利不二越ロボット事業部長)といった前向きな声が多い。


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日刊工業新聞2022年3月11日

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