日本特殊陶業が導入、「攻め」の企業風土を醸成する人事制度の中身
日本特殊陶業は、2022年度から管理職や専門職を対象に役割の大きさや仕事の成果によって評価する「役割等級制度」を導入する。同社は現在主力の内燃機関向け製品に頼らない事業構造への転換を目指している。こうした取り組みの達成に向けて同制度を設けることで、優秀な人材の最適な配置や創造性豊かな人材の育成につなげる考えだ。
日特陶の新たな人事制度は主に管理職や専門職を対象に、管理職は7ランク、専門職はフェローなど4ランクに分類し、給与を評価する。職務の役割、結果と評価を明確化することで、適材適所に人材を登用しやすくする狙いだ。
管理職は現中期経営計画の24年度までは経験年数などによる職能資格制度と合わせて評価するが、その後、役割等級制度だけの評価への切り替えも検討する。
一方で、目標の設定などで社員の不満につながらないように、従来より面談の回数を増やすなどきめ細かくフォローする考え。きめ細かい対応を通じて社員の適正や希望などもくみ取れるようにしてより最適な人員配置にもつなげる。
また賞与は同社が21年度から導入した社内カンパニー制の下、カンパニーや個人の目標の達成度に応じて額に差をつける。評価を明確化することで、社員のモチベーション向上を図る。
日特陶は40年にエンジン点火プラグなど内燃機関事業から非内燃機関事業を主力にする事業構造の転換を目指す。
成果に応じた報酬などの人事制度を整備することで、新規事業の創出に向けて自らの役割を全うする創造性豊かな人材の育成や「攻め」の企業風土の醸成を促す。
日刊工業新聞 2022年3月18日