台湾TSMCの熊本進出、経団連会長が示した期待と課題
経団連の十倉雅和会長は、九州経済連合会と福岡市内で開いた九州経済懇談会後の会見で、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本県進出について、「半導体産業において日本は材料と設備で世界をリードしているが、(進出により)ますます強くなる」と期待を示した。一方で「半導体人材の継続的な育成が重要だ」と話した。
九経連の倉富純男会長(西日本鉄道会長)も「半導体人材の確保が課題だ」と強調した上で、「首都圏に人材が流れ、九州に定着するにはもう一工夫必要だ」と指摘。経団連に対し人材定着に向けて政府への働きかけを求めた。
懇談会では地域の強みを生かした成長について議論。東アジアの地域的な包括的経済連携(RCEP)が発効したことに関連し、九経連の大嶺満副会長(沖縄電力会長)は「九州はアジアのゲートウェーとして歴史がある。国際社会にプレゼンスを示し、九州の活性化につなげる絶好の機会だ」と話した。
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日刊工業新聞2022年3月10日