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半導体結晶の成長知見に、水が段差束動くように凍る様子を撮影した

北大が成功
半導体結晶の成長知見に、水が段差束動くように凍る様子を撮影した

氷結晶の成長で現れる渦巻き模様(北大提供)

北海道大学の村田憲一郎助教と金沢大学の佐藤正英教授らは、水が分子レベルの段差の束が動くように凍る様子を撮影した。水分子が氷の結晶に取り込まれ、1分子当たり0・37ナノメートル(ナノは10億分の1)の段差ができる。この段差が200層ほどの束となって動くように結晶が成長していた。砂丘の風紋や渦巻き状の段差パターンが生じる。

 半導体の結晶成長などの基礎的な知見になる。

水に温度勾配を作り氷の結晶成長をゆっくりと遅らせながら、レーザー共焦点顕微鏡で氷結晶を計測した。すると氷の1分子段差が均等にならず、束のように集まっている様子を観察できた。

水から氷になる際に発生する潜熱や結晶成長速度のバランスで、段差の束化が起きていると考えられる。進行方向が反対の段差同士がぶつかると渦巻き模様ができた。段差列が衝突した部分には欠陥が生じる。半導体結晶の融液成長などの知見になる。

日刊工業新聞2022年3月7日

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