ユニバーサルロボットが「協働ロボット」活用拡大へ一手
「認定SIer」を2.5倍に拡大
デンマークのユニバーサルロボット(UR)は2022年に日本で協働ロボットの「認定システムインテグレータ(SIer)」を現状の8社から2・5倍の20社に拡大する。URでは単なる製品紹介から、アプリケーション(使用例)に基づいたロボット提案へ訴求方法を移行している。協働ロボットはエンドユーザー(最終利用者)が自分でシステムを調整できることが強みだが、システムを構築できる認定SIerを増やし、導入工程を具体化する。
URでは協働ロボットの活用を大手企業だけでなく中小企業へも本格的に広げる意向。各地域に根差したロボットSIerなどを認定し、協働ロボット市場の拡大を狙う。UR自体も新型コロナウイルス感染症の収束を見据え、認定活動を積極化する。
UR認定SIerは、URの協働ロボットを活用したシステムの構築実績があるSIerの中から、特に技術力を持った企業を選定する。認定SIerになるにはURの「育成プログラム(URSIP)」に参加し、URが主催する技術力向上トレーニングを受講した上で、実際に顧客へシステム構築事業を提供する必要がある。国内ではURSIPには50社以上が参加している。
協働ロボットは黎明(れいめい)期だが、自動化に熱心な企業や経営者には認知が一定程度広がっている。一方で、協働ロボットに最適な工程やシステムの普及は不十分。2台目、3台目の導入に対する障壁も低くない。安全機能や容易なプログラム方法など産業用ロボットとの違いを打ち出し、小さな自動化システム「コボット(協働ロボット)セル」の構築を容易にできる環境を整備する。
日刊工業新聞 2022年3月9日