2つの「ロス」解決する、企業ユニフォーム廃棄ゼロエミ推進委・プロジェクトの仕組み
高宮(東京都杉並区、高宮英輝社長)が事務局を務める「企業ユニフォーム廃棄ゼロエミッション推進委員会」は、制服リサイクルに加え、食品廃棄物の再利用の提案を始めた。飲食店などに廃棄予定の野菜などを染料にするプロジェクトも紹介する。環境問題として関心が高まっている「ファッションロス」と「フードロス」の同時解決を推進する。
企業ユニフォーム廃棄ゼロエミッション推進委員会は従業員が着用した制服を回収し、原料に再生して制服を生産するサービスを40社に提供している。食品廃棄物削減のプロジェクトは豊島(名古屋市中区、豊島半七社長)の「FOOD TEXTILE」。廃棄予定の食材を引き取って染料として利用し、繊維製品の染色に活用する。
企業ユニフォーム廃棄ゼロエミッション推進委員会は、主に飲食店に制服リサイクルと豊島のプロジェクトを提案する。飲食店は本業と密接な食品廃棄物だけでなく、店員が着用する制服の廃棄ゼロを同時に達成できる。
環境省と農林水産省によると、2018年度の日本の食品廃棄物は2531万トン。そのうち食べられるにもかかわらず捨てられた「食品ロス」は600万トン発生したと推計している。世界全体の食糧援助量の年420万トンを上回る食品が廃棄されている。
アパレルの過剰生産・大量廃棄も大きな問題になっている。環境省によると、20年に日本で廃棄された衣類78万トンのうちリサイクルや再利用は3割にとどまり、大半は処分されている。企業ユニフォーム廃棄ゼロエミッション推進委員会は、警備ログ(さいたま市南区)の長谷川功一社長が代表となり、制服廃棄ゼロを掲げて21年に発足した。
日刊工業新聞2022年3月3日